次世代経営者塾は、高い志を持ち、大きな仕事の場を経験してきた人に、深い知的思考への刺激の場を提供することを目的とし、次世代経営者候補が自らを鍛えるプロセスをサポートします。

同一講師による少人数ゼミ形式

主宰者である一橋大学名誉教授 伊丹敬之がカリキュラムを設計するとともに、1年を通じて各セッションの責任者となり、少人数のゼミ形式による議論を行います。

事前読書と徹底した議論

事前読書を踏まえて用意した、課題に対するメモをベースに参加者の相互の議論を徹底的に行うことを中心的活動とします。

濃密なネットワークを形成する懇親会

各回のセッション終了後、全員参加の懇親会を行います。この場で、議論の場を越えて濃密な人間のネットワークが異業種の経営者候補の間にでき上がることも、塾としての大きな目的となります。

セッションごとに、課題リーディングを配布図書から指定し事前課題も指定。各回の間の時間を準備期間とし、課題図書の読み込みと事前課題への自らのメモを作成する時間とします。

受講者のメモは、各回開催の前々日までにメール提出とし、当日は全員にコピーを配布することで、議論の材料となります。

各回のタイムスケジュール

日程及びテーマ

講(回) 日程 テーマ セッション1 セッション2
1 7月 ポストコロナと
経営者の姿
ポストコロナの自社の行方 孫子に学ぶ、君と将の姿
2 9月
(合宿)
経営とは、決断すること 西山彌太郎の決断に学ぶ 経営における、論理と哲学
3 歴史に学ぶ決断と戦略 特別講義
出光佐三の経営
孫子に学ぶ、戦略
4 10月 事業ポートフォリオと
能力蓄積
自社の事業ポートフォリオ
の方向性
自社の蓄積戦略の特徴
5 11月 世界地図と向きあう グローバル戦略の
あるべき姿
買収・統合の落とし穴
6 12月 経営とは、他人を通して
事をなすこと
人は性善なれど、弱し あらためて、
マネジメントの全体像
7 1月 組織内マネジメントの
忘れもの
ヒエラルキーに頼り、
場のマネジメントを忘れる
情報システムばかり気にして、
影響システムを忘れる
8 2月 コーポレートガバナンス 会社は誰のものか:
日本型とアメリカ型
特別講義「良心」から
企業統治を考える
9 3月 リーダーの姿とその背中 本田宗一郎から学ぶ 特別講演 私の経営論、リーダー論
10 4月 経営者としての覚悟 レポート発表セッション

※各回とも13:45〜17:45 その後18:00より毎回懇親会を⾏います。
※初回はオリエンテーションのため、13:15開始となります。
※第2回、第3回は⾦曜⽇の宿泊を伴う合宿形式。⼟曜⽇12:00終了、解散となります。
※最終回は13:00〜18:45 終了後、修了式、懇親会を⾏います。

全体開講の前に一括事前配布

  • 『日本企業の復活力 コロナショックを超えて』
  • 『経営の力学』
  • 『経営戦略の論理』
  • 『ゼミナール経営学入門』
  • 『孫子に経営を読む』
  • 『場の論理とマネジメント』
  • 『高度成長を引きずり出した男
    サラリーマン社長・西山彌太郎の夢と決断』
  • 『直感で発想 論理で検証 哲学で跳躍』
  • 『現場が動き出す会計』
  • 『なぜ戦略の落とし穴にはまるのか』
  • 『経営を見る眼』
  • 『平成の経営』
  • 『日本型コーポレートガバナンス』
  • 『人間の達人 本田宗一郎』
  • 『よき経営者の姿』

200万円(税別)
※資料代・合宿費用などすべてを含みます。
※都心のホテルにて開催となります。

国際大学学長・一橋大学名誉教授。
1945年生まれ、1967年一橋大学商学部卒業、1972年カーネギー・メロン大学経営大学院博士課程修了。
1975年、1982年スタンフォード大学ビジネススクール客員准教授。
1978年、1982年日経図書文化賞受賞。
2005年紫綬褒章受章、2009年宮中講書始の儀 進講者。
2017年9月、国際大学学長就任
IT戦略本部など政府関係委員を多数歴任し、東芝社外取締役など数社の社外役員も歴任。

日本の将来は、企業経営者が担っている。大企業の経営者が、自社と自分の産業そして日本という国、その三つの将来をきちんと考えた経営をできるかどうかで、日本の将来が決まる。

そんな大きな視野をもつ経営を実践するには、経験が豊富で人間的魅力があるだけでは、まだ足りない。自らビジョンを構想し、それを社会へ発信しかつ社内を説得する能力が必要だろう。その能力は、いわば経営についての「知的格闘技」の能力である。

そうした知的格闘技への刺激を次世代経営者候補が深く感じられる場、それがこの少人数の塾の基本コンセプトである。さまざまな刺激が起きるように、運営のディテールを工夫したい。

日本はいま、歴史的な転換点にある。その時、未来を考えるためにこそ歴史に学ぶこと、また、日本企業がこれまで発展してきたその背後の原理を考えること、が重要になる。四十年以上にわたって日本企業への発言をしてきた私の蓄積を注ぎ込んで、みなさんと大きく深く考える塾にしたい。

東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長
(株)三菱ケミカルホールディングス 取締役、元経済同友会代表幹事。
1946年山梨県生まれ。
東京大学大学院理学系修士課程修了。ヘブライ大学、ピサ大学留学後、
三菱化成工業(現・三菱ケミカル株式会社)入社。
2007年三菱ケミカルホールディングス社長、2021年より現職。理学博士。